総長からの「愛してる」
今までの行動が嘘のように、勝手に一人で納得し、あっさり離された手。
ポンポンと、頭を撫でられ……その男は、去って行った。
あまりにもあっさりとした、唐突な別れにただただポカーンとしてしまう。
「あ……御礼、ちゃんとしてない。」
『ありがとう』は無視されちゃったしね。
男が去って行った方を見つめる。
いつか会うことがあったら、もう一度御礼を言おう。
それにしても
あんなに強い男がいるなんて……
「一体誰なの?」
少しだけ、気になった。
ーーーーーこれが、彼、“天瀬 來叶” との出会いだった。