総長からの「愛してる」
救われた感情
ーーーーー
ーーーーーーーー
「…………。」
今夜もまた、私はホテル街に立っていた。
ただ壁に立つだけで、男は私を見てくる。
気持ちのいいものじゃないけど、もう諦めた。
バイトも、探した。
でも求人広告の時給を見る限り、どのバイトでも生活費が足りなくなる。
「ねえ、君…2万でどう?」
ーーー今日もまた、私は汚れていく
「いいよ。」
ダークブラウンの髪色をした、男。
何処かで見たことのある、顔。
……でも、思い出せない。
そんなこと、どうでもいいけど。
「名前は?」
名前………?
そんなことを聞かれたのは、初めてのことだった。