総長からの「愛してる」



この男は、私の初めて売った相手だった。


今でも忘れられない、最大の恐怖の相手。




………あの日と同じように、私の泣き叫ぶ声を楽しそうに聞く男は、



自分の欲望を何度もぶつけてくる。




痛みにもがき、


恐怖で叫び、


悔しさの涙が出る。




ねえ……



『私は何のために、こんな目にあってまで生きてるんだっけ?』



抵抗する気力もなくなった私が抱いた疑問。



それは、私の中のあの光の存在すら、薄めさせた。




生きる意味が、本当に見えなくなった。




そして……


身体を売る恐怖が、完全に私の中を支配した瞬間だった。




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