総長からの「愛してる」



「もう、生きることを、諦める。」




幸せになること、なんて、とっくの昔から諦めていた。



だけど、それでも生きることは、やめなかった。



あの日赤い翼の彼らに、救われた命。




だけど……もう、いらない。




「疲れちゃったよ………」




フェンスを乗り越え、屋上の端まで足を運ぶ。



飛び降りることに、躊躇いは無かった。



飛び降りることに、恐怖も無かった。



明確に目の前にある “死” に、涙も悔しさも無かった。




そんなことがちっぽけに思えるほど、私の心は『恐怖』と『絶望』と『悔しさ』で満ちていたから。



< 315 / 443 >

この作品をシェア

pagetop