総長からの「愛してる」
男のその言葉に、私は思わず再び振り返った。
「どん底にいるお前を、俺が救ってやる。
どうせ死ぬ覚悟があるなら、試してみろ。
俺にお前が救えるかどうか。」
救い、なんて初めてのことだった。
自分だけで生きることしか、考えてなくて。
誰かの手を借りるなんて考え、今まで全く考えてこなかった。
「本気で、救えると思ってる?」
ただ、それだけしか言えなかった。
突然伸ばされた、予想もしなかった、誰かの手。
私の中に渦巻く多くの闇に、一筋の……本当に少しの光が見えた。
「俺ならお前を救うことくらい、やってみせる。」