総長からの「愛してる」
ぐっと唇を噛み締め、まっすぐ男を見つめる。
泣きたく、ない。
自分が惨めになるだけだから。
そう、思っても……それは溢れてくる。
「どうして……」
「死ぬ勇気があるなら、俺と一緒に生きる勇気もあるだろ?」
私を生かすには、男の言葉は十分すぎるものだった。
もう一度だけ、試してみたい。
フェンスを越え、走って男に近寄る。
私は男の伸ばす手に触れた。
「最悪の人生を歩いてる。
生きる価値もないと、思ってる。
それでも、私を幸せに導いてくれる?」
私の心からの叫び。
心からの、最後のSOS。
救ってくれたのは、あなただった。