総長からの「愛してる」
ここは、つい先日まで麻薬や武器の売買をしている、汚い族の敷地だった。
だから、ここら辺では毎日のように売春や麻薬取引が行われていた。
だが、先週、見兼ねた俺たちの手によってここは俺らの敷地になった。
今日は、新しく手に入れた敷地の様子見と言ったところだ。
5人で分かれたり、合流したりを繰り返して、様子を見回っている。
今の所は特に問題はない。
「…………。」
「どうかしましたか、廉?」
「いや、あの女のことだ。」
今日で一番に気になることは、この敷地のことじゃない。
今日初めて出会った、女のことだ。