総長からの「愛してる」
「お前の今が最悪なら、これ以上悪いことは起こらねぇじゃねぇか。
大丈夫だ、安心しろ。
ーーーこれからは、俺がお前を世界一幸せにしてやる。」
自信に満ちた声で、私の手を包み込むように握る。
温かい……
人の手って、こんなにも温かいものなんだね。
そんなことすら、初めて知ること。
「これ以上、悪いことは起こらない。
………そうだね。
もう私には、捨てるものが何もないから。」
強い光を宿した瞳を見つめる。
「あなたに私の人生を賭ける。
最後のチャンスをくれて……ありがとう。
名前を聞いてもいい?」
「天瀬 來叶。お前は?」
「……雨宮美愛。」