総長からの「愛してる」
「暴走族を怖いと思わなかったのか?」
彼の質問に私は思わず笑ってしまう。
私には、一般的な常識の思考は残されていない。
私は本当の恐怖を知っている。
「私にとって恐怖は自分の存在と人生そのものだから。
それ以上の恐怖はないんだと思う。
それに、私も偏見されて生きてきた。
一般の人の偏見は、私には通じない。
むしろ……居場所のある彼らが、カッコ良くて、輝いて見えた。」
どんなに手を伸ばしても、自由も居場所も強さも。
私には、届かない存在。
だからこそ、憧れた。
「そうか。」
命を救われ、彼に魅了され……
私は彼と共に生きる覚悟を決めた。