総長からの「愛してる」
いつまでも答えない私にしびれをきたしたのか、天瀬來叶は私の腕をつかんでホテル街を進む。
引っ張られながらよくよく見てみれば、誰とも目は合わない。
誰もこっちを向こうとしない。
これが天瀬來叶が言っていた『手を回した』ことによる影響?
だとしたら、この男は一体何者?
消化されずに溜まるたくさんの疑問。
どうにもできなくなった私は、天瀬來叶に視線を向ける。
高い身長と、カッコいい顔立ち。
この人、モテるだろうな……
そんな呑気なことを考えていた私は、いつの間にか景色が変わっていることに気づかなかった。