総長からの「愛してる」
「海……?」
月の光に照らされた青い海。
赤い翼だけは無いけど、綺麗な光景。
私たちとは違う世界にあるみたい。
「俺はお前を救いたい。
だから、聞くことは一つだ。」
私を振り返り、天瀬來叶は再び口を開く。
さっきも質問した内容は答えなくていいのかな?
ぼんやりと考えながら、私は頷いた。
「なぜ、生きたくない?」
その質問に、私は驚きと戸惑いを感じた。
死にたい理由なら、すぐに答えられる。
『疲れた』『最低な人生』『屈辱と恐怖』
そして、『生きたくないから』
でも、生きたくない理由は?
一見同じに見えて、本質が違う質問。