総長からの「愛してる」




「今の私は、親にも親戚にも見放されて、こんなことでしかお金を得る手段がわからないの。」



少しだけ口を開けば、私からは溢れるように言葉が出た。




「普通の両親の元に生まれて、小さい頃は容姿以外は平凡な生活を送ってたんだ、と思う……正直、全く覚えてないんだけどね。


ただ、ある日、突然お母さんはいなくなった。理由は覚えてないけど……浮気してたんだって聞いてる。



その日からお父さんは変わった。


私の面倒は見てくれたけど、毎晩お酒ばかり飲んで泣く姿をよく見るようになった。

でも、私の前では優しかった。



そんな日々が続いて……ある日、突然……とある事件が起こって、お父さんは消えてしまった。」



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