総長からの「愛してる」
ちらっ、と天瀬來叶をみれば、驚くくらい真剣な瞳で聞いているから、少しだけ嬉しくなる。
彼になら………話そうかな。
今の私が話せる全てのことを。
「そうやって色々な親戚の家をたらい回しにされていく内に、私の行き着いた先は孤児院だった。
親戚は、誰一人として私を引き取ろうとはしなかった。
希望のない孤独の身になった。
それでも、良かったの。
もう疎まれることも、お母さんとお父さんの悪口を言われることも、罵声が浴びせられることもない……そう思ったから。
でも、その孤児院ですら、最悪で最低な場所だった。
あそこはね………」