総長からの「愛してる」
もちろん暴走族だから、とかじゃない。
私を救ってくれた彼らに会えることが、
そして、彼が大事にする人たちに会えることが嬉しかった。
「今までも連れて行きたくなかったわけじゃねえよ。
でも、今までは俺の女って訳じゃなかったからな。」
屋上で風に吹かれながら、彼は目を細めて私を優しく見つめる。
「俺の女じゃない限り、あそこに連れていけるまともな理由が無かったし、お前が危険になるだけだった。」
「………どういうこと……?」
彼の言い分がいまいち理解できない私は、彼を見つめ返す。
私の言葉に來叶は笑うと、右手を伸ばして私の頬に触れた。
「お前を俺だけの女にしたい。
美愛、お前のことが好きだ。」