総長からの「愛してる」



自分の発したその一言で、気付かされる。



どうしたって、來叶のいない現実は私の日常ではないんだ。



「來叶……」




私の世界には、誰一人映らなくて。



まるで、私だけがここに取り残されたみたいで……




「ひとり、ぼっち……」



嫌な言葉。


……嫌いな言葉。




「ね、來叶。來叶がいたから、ここまで生きてたんだよ。」



例えとかじゃなくて……あの日、あなたが私を救ってくれたから。



私の自殺を止めたから。




「あれ……じゃあ、生きる意味ってなんだっけ……?」



私が生きたのは、彼がいたから。



……彼がいない今に、生きる意味なんてないんだ。



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