総長からの「愛してる」



「心から、愛しています。」



抵抗はない。


もう、來叶がいない限り幸せは得られないとわかってるから。




「………怒られるかな。」



それでもいいか。




フェンスを乗り越え、屋上の端まで足を運ぶ。




明確に目の前にある “死” に、涙も悔しさも無かった。




もしも、この世に神様がいるのなら……




どうか、もう一度、來叶に会わせて欲しい。



現世の幸せを望まない分、天国で希望を望むよ。





「神様を私は信じてるから。」





それが最期の言葉










に、なるはずだった。






「何してるんだ?!」





聞いたことのある、優しく、でも焦っている声。



< 360 / 443 >

この作品をシェア

pagetop