総長からの「愛してる」
「心から、愛しています。」
抵抗はない。
もう、來叶がいない限り幸せは得られないとわかってるから。
「………怒られるかな。」
それでもいいか。
フェンスを乗り越え、屋上の端まで足を運ぶ。
明確に目の前にある “死” に、涙も悔しさも無かった。
もしも、この世に神様がいるのなら……
どうか、もう一度、來叶に会わせて欲しい。
現世の幸せを望まない分、天国で希望を望むよ。
「神様を私は信じてるから。」
それが最期の言葉
に、なるはずだった。
「何してるんだ?!」
聞いたことのある、優しく、でも焦っている声。