総長からの「愛してる」
恐怖、悲しみ、憎しみ、怒り。
そういった負の感情がごちゃ混ぜになって、自分でもなんだかわからない。
この思いの矛先を見つけられないまま、心の中で溜まる。
「美愛が、死ぬなら……」
しばらくの沈黙のあと、最初に言葉を発したのは、悠だった。
「俺も、死ぬよ。」
それは、私の思考を一気にさますほどのものだった。
「え……なに、いって…」
「俺も家族はいないようなもんだし、來叶がいなくなった今、鳳凰の上に立つ自信はない。
その上、美愛が目の前で死ぬのなら……
俺も、後を追う。」
その瞳に、迷いなんてなくて。
冗談で言ってる訳じゃないと、知る。