総長からの「愛してる」



恐怖、悲しみ、憎しみ、怒り。



そういった負の感情がごちゃ混ぜになって、自分でもなんだかわからない。



この思いの矛先を見つけられないまま、心の中で溜まる。




「美愛が、死ぬなら……」




しばらくの沈黙のあと、最初に言葉を発したのは、悠だった。




「俺も、死ぬよ。」



それは、私の思考を一気にさますほどのものだった。




「え……なに、いって…」



「俺も家族はいないようなもんだし、來叶がいなくなった今、鳳凰の上に立つ自信はない。


その上、美愛が目の前で死ぬのなら……



俺も、後を追う。」



その瞳に、迷いなんてなくて。



冗談で言ってる訳じゃないと、知る。




< 363 / 443 >

この作品をシェア

pagetop