総長からの「愛してる」



「まさかとは思うけど、アイを姫にするつもりかよ?」



呆れたように、海斗が俺を見てきた。




「俺の女にする。」



「同じことじゃねぇか。」



まあ、総長の女が姫になるからな。


奏と旭と海斗。



3人は嫌悪しているが、そのうちわかるだろう。



アイの隠された悲しみを。




「仕方ないですね。調べるだけ調べてみます。」



旭もため息を吐いた。



こいつの情報網は頼りになる。




「あの女、綺麗だけど嫌い。」



「………偽物の姿。」


ぶうぶう文句を言う奏を、昴が止める。




「あの女は人を失う悲しさを知っている。」




そう言った昴の瞳が、悲しげに揺れた。




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