総長からの「愛してる」
でも、それは。
來叶がいなきゃ意味がないの。
何も、叶ったことにならない。
「それに……家族が私しかいなくて、この子は幸せかな?
金銭面でも現実的じゃない、家族の愛情も私では満足に与えられない。」
「金銭面なら、來叶の親父さんたちに…」
疾風の言葉に、私はゆっくりと首を振った。
「お義父さんたちは、私を近々追い出すと思う。
優しい人たちだけど、彼らの來叶を失った悲しさは今、私への恨みに変わってる。」
『俺の家に来い』
來叶が私を來叶の家に連れて行ってくれた日。
來叶のお父さんもお母さんも、優しく歓迎してくださった。