総長からの「愛してる」



多分、誰も予想していなかった内容なんだろう。




悠も、翔太も、吉良も、疾風も。



誰もが黙った。




「当然、私には行く場所はない。
生きる道はただ一つ。

昔と同じように、自分を売っていくしかない。」



私がもう一度自分を売る、ということには重い意味が込められている。



彼への、明確な裏切り




「………俺が、來叶の親父さんたちに話をつけてくる。」



「やめて!!」



病室を出て行こうとする翔太を止めた。




「これ以上、あの人たちに負担をかけたくないの。
あの人たちの傷が、私を恨むことで癒やされるなら、それでいいの。」




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