総長からの「愛してる」



「………けどよ…」



後には続かない、疾風の悔しそうな声。




諦めが大切な時もある。



……これは、仕方のないこと。




「悠、翔太、吉良、疾風。」



私の声で、再び全員が私を見る。



もう、何も残したくないから、これは、しなければいけないこと。




「今日を持って、私、雨宮美愛は鳳凰の姫の座を降り、脱退します。

許してくれますか、副総長?」




暴走族を抜けるには、それ相応の手続きは一応あったりする。



けど、私の立場である “姫” に関しては、強制力があるのは、総長の命令のみ。



だから、本当は、こんなことしなくてもいいんだけど、


きちんとケジメをらしくしたい。


< 376 / 443 >

この作品をシェア

pagetop