総長からの「愛してる」
「………けどよ…」
後には続かない、疾風の悔しそうな声。
諦めが大切な時もある。
……これは、仕方のないこと。
「悠、翔太、吉良、疾風。」
私の声で、再び全員が私を見る。
もう、何も残したくないから、これは、しなければいけないこと。
「今日を持って、私、雨宮美愛は鳳凰の姫の座を降り、脱退します。
許してくれますか、副総長?」
暴走族を抜けるには、それ相応の手続きは一応あったりする。
けど、私の立場である “姫” に関しては、強制力があるのは、総長の命令のみ。
だから、本当は、こんなことしなくてもいいんだけど、
きちんとケジメをらしくしたい。