総長からの「愛してる」
「……俺には止める権限がない。」
悠はそれだけ言うと、入口にいる翔太を押しのけて病室から出て行った。
「翔太も、吉良も、疾風も。
この1年間ありがとう。
來叶がいなくなって、私が鳳凰を抜けた今、私があなたたちに守られる理由がない。
もう、お別れだね。」
私が笑って言うと、疾風はすぐに食らいついてきた。
「そんなの酷いだろ?!
俺は來叶とか関係なく、美愛を大切に思ってる!!」
「それでも、もう私は仲間じゃないよ。
守られる理由も、守る必要もない。」
首を振って頷かない私。
疾風はそれでも、諦めなかった。