総長からの「愛してる」
「たとえ美愛が鳳凰じゃなくても、俺らと美愛は友達にすらなれないわけない!」
疾風のバカみたいな真っ直ぐの姿勢に、これまでどれだけ救われたんだろう。
でも、今は救われたいわけじゃない。
息をするのも、寝るのも、食べるのも、学校に行くのも……
何もかもどうだっていい。
何をするにも無益な気がする。
それなのに……
「美愛は、來叶の遺した命を2つ持っている。
たとえ美愛が、今、希望が無くて、絶望の淵だったとして。
あいつが守ろうとしたそれを自ら捨てることに、誰が希望を持つ?
絶望が広がるだけだろ?」
翔太の、その言葉に。
私の中で何かが引っかかった。