総長からの「愛してる」
「希望……?」
そうか。
今の私は、生きることに希望が無いんだ。
感情を求めないくらい、絶望に浸ってしまったんだ。
「その腹の子は、來叶の形見みてぇなもんだろ。
お前が精一杯愛してやらねぇと、お前を守って死んだ來叶は、何も報われない。
お前が死ぬと、あいつの死んだことが、何の意味もない犬死になることに……
なんで気付けねぇんだよっ!!」
私を睨んだ吉良。
その顔は、まるで私が鳳凰に入ったばかりの時と似ていた。
極度の女性恐怖症である吉良。
私に怯え、威嚇し、受け入れようとしなかったあの頃に、似ている。
「俺らが今まで、どれだけお前ら2人の幸せを願ったと思ってる?!
俺らの必死な思いも、來叶の思いも、お前自身が踏みにじったら……!!
俺らの1年は、何だったんだよ……!」