総長からの「愛してる」



「希望……?」




そうか。



今の私は、生きることに希望が無いんだ。


感情を求めないくらい、絶望に浸ってしまったんだ。





「その腹の子は、來叶の形見みてぇなもんだろ。
お前が精一杯愛してやらねぇと、お前を守って死んだ來叶は、何も報われない。


お前が死ぬと、あいつの死んだことが、何の意味もない犬死になることに……



なんで気付けねぇんだよっ!!」




私を睨んだ吉良。



その顔は、まるで私が鳳凰に入ったばかりの時と似ていた。




極度の女性恐怖症である吉良。



私に怯え、威嚇し、受け入れようとしなかったあの頃に、似ている。




「俺らが今まで、どれだけお前ら2人の幸せを願ったと思ってる?!


俺らの必死な思いも、來叶の思いも、お前自身が踏みにじったら……!!


俺らの1年は、何だったんだよ……!」




< 379 / 443 >

この作品をシェア

pagetop