総長からの「愛してる」




ーーー吉良が、泣いた。




疾風をからかい、いつも態度がでかく、意地悪で余裕そうな態度をするくせに。



私たちの中で、1番泣き虫だ。




「……くっ……!!」




必死に目をこするけど、その涙は止まらなくて。




そんな吉良の姿に、私の心は温まる。




「残す側になって楽な道を選ぶなよ!
残される側の辛さをわかるお前が、今度は俺たちを残すのか?!」



疾風の叫び声も、今度は私の心に響いた。




「來叶と形は違くても……俺らは美愛に愛情があるんだ。


美愛……お前が死んだら、俺たちの心は壊れる。」




そんな翔太の言葉を最後に残して、残った3人も帰って行った。



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