総長からの「愛してる」
來叶の生きていた時間と、お腹の命が始まった時間は、わずかに重なっているのに…
彼は何も知らないまま、命を落とした
あんなに私との子を楽しみにしていたのに、存在を感じることすら、出来ずに……
それでも、あなたが残した痛みを救ったのは、あなたが残した小さい命。
「相変わらず、死なせてくれないんだね。」
彼は、死んでもなお、私の命を守ってくれた。
「あなたが残した、この命を……私が一人で守ってみせるよ。
たとえ、どんな代償を払うとしても。」
死ぬことを諦めた私が、
新たな覚悟をしたのは……
彼が亡くなってから3週間目の、空の青が綺麗に広がる……そんな日。