総長からの「愛してる」
未來はあの街で産めなかった。
でも、お父さんが残した財産全てを、未來の出産費用や育児の費用として使った。
私が稼いだ汚いお金じゃなくて。
大切な命を。唯一の汚くないお金で産んであげたかったから。
「この街に来てから、私の世界には悠と未來しかいなくて。
生きる意味も未來といることしかなくて。
未來を生かすために、どんなに汚れようと生きてきた。」
そんな日々を過ごしてきて……
もう1年になる。
「來叶に対する罪悪感と未來の成長でしか生きていることを実感できなかった。」
來叶の死でのショックが大きいせいか、感情を表すことは無かった。
……でも、ある日を境に変われた。