総長からの「愛してる」
感傷的な気持ちを振り払い、前へ視線を向ける。
私の席は、窓側後ろから3列目。
ある程度教室中を見渡せる位置。
この教室で、彼らの欠席は目立たない。
なぜなら、教室の7割は空席なのだから。
忘れないで欲しい。
ここは、不良高だ。
来ているのは、私みたいにほんの一握りの真面目な普通の高校生と。
気分で来る、暴走族とギャル。
そんな学校でも、唯一錦城先生の授業だけは全員が揃う。
理由は、昨日知った。
彼は、元龍嵐幹部らしい。
どうりで昨日、龍嵐幹部相手に堂々と話しかけていたわけだ。