総長からの「愛してる」
崩れた心
《side 廉也》
まずい!!
天瀬社長が背を向け、去っていた方に体を向けたまま座り込む美愛。
その姿には絶望しか感じない。
精神が、壊れていた。
「いや…ぁぁああああ!!」
叫び泣く美愛。
天瀬社長が振り返ることはない。
慌てて美愛に近づけば、その瞳には何も映ってなかった。
どこか遠くを見ているような、瞳。
「美愛、美愛?!」
呼ばれた美愛は、ゆっくりと視線を彷徨わせて俺を見る。
俺を見つめ、口を動かすも声は出ない。
「美愛っ!!」
「………」
顔を真っ白にし、生気を感じない表情。
完全に絶望に押し倒されていた。