総長からの「愛してる」
動こうともしない美愛。
俺は、張り裂けそうになる胸に痛みを感じながら、車に乗り込む。
「吉田。」
「はい!」
美愛の様子を見て只事ではないと察した吉田は、未來を慌ててチャイルドシートに乗せる。
「病院に行け。」
「どちらの病院ですか?!」
「一番近い、精神科医だ。」
覇気のない声だと我ながら思った。
でも怒りも後悔も痛みも……全部感じるのに。
それ以上に、美愛の心配で苦しくて。
頭が真っ白になる。
膝の上に抱き寄せた美愛の体を強く……ただ強く抱き締める。
「美愛……。」
俺の声に返事はない。