総長からの「愛してる」
《side 廉也》
……ーーーバンッ
荒々しく開け離れた屋上のドア。
帰ってきたか。
その音で、浅い眠りについていたらしい昴が目を覚ましたようだ。
「連れてきた。」
ムスッとしながら、海斗は引きずるようにして美愛を連れて来ていた。
「何なのよ……転校翌日に、屋上はもう陣取られてるわけ……?」
面倒臭そうに、美愛は入ってくる。
「お待ちしてました。美愛さん。」
そう言って前に出たのは、旭だ。
名前を知られたことに驚いたのか、美愛はピクっと反応した。
「ねぇ。」
「はい?」
「………そんなに軽蔑しているなら、なぜ私を連れて来たの?」