総長からの「愛してる」
こういうことをしているうちに、恋愛感情を持たれることがある。
それは本当に迷惑だ。
私にそんなつもりは微塵もないから。
私は自分を売るこの行為で、大切な人を守るための力を手に入れたいだけ。
「ついでに名前も教えてよ。」
「アイよ。」
「アイか。字は恋愛の “愛” か?
お前にピッタリだな。」
白いスマホを渡せば男は勝手にいじっていく。
そのスマホの中は、男の名前で埋め尽くされている。
「しっかし、こんなので商売するとかお前みたいに綺麗な奴しかできねえよ。
ジジイ相手ならそこらの奴でも出来るけどな。」
男はそう言うと、スマホと一緒にお札を渡してきた。
ーー3万。