総長からの「愛してる」
《side 廉也》
「またハズレか。」
「………。」
「珍しすぎて逆に怪しぃな。」
俺と昴と海斗は、ここ一週間毎日、ホテル街や繁華街を回っていた。
だが、美愛は一向に現れる様子がない。
よりによって俺たちが探し始めてから姿をくらました。
もしかしたら、既に他の族に感づかれたか?
俺らの間には、緊張が走っていた。
けれど、そんな心配は昴によってすぐに消された。
「………廉。」
昴の声に顔をあげれば、そこに見えたのは、紛れもない美愛の姿。
「とっ捕まえてくるか。」
颯爽と男と腕を組んで歩く美愛。
そこに、俺らは乱入した。