総長からの「愛してる」
一般人にまで、名前が知られているということは、その地域の大きな権力を手に入れたっつうことだ。
この数日で、思ったよりも力が手に入ったな。
「アイちゃん、ごめん。
今日は無しで。じゃあね!!」
早口でまくし立て、走り去った男。
今まで黙ってきた美愛が、俺たちを見上げた。
「何の用?話は終わったはず。」
今までのどの時よりも、無情な瞳。
その姿に俺は、優しく抱きしめてやりたくなる。
「お前を止めにきた。」
「………はぁ…。
あなた達には関係のないことでしょ?
はっきり言って、迷惑なの。」
美愛の言葉に棘はあるが、
なんとなくこの前の迫力が薄い。
というか、なぜか疲れている?