総長からの「愛してる」



一般人にまで、名前が知られているということは、その地域の大きな権力を手に入れたっつうことだ。



この数日で、思ったよりも力が手に入ったな。




「アイちゃん、ごめん。
今日は無しで。じゃあね!!」



早口でまくし立て、走り去った男。




今まで黙ってきた美愛が、俺たちを見上げた。




「何の用?話は終わったはず。」



今までのどの時よりも、無情な瞳。



その姿に俺は、優しく抱きしめてやりたくなる。




「お前を止めにきた。」



「………はぁ…。
あなた達には関係のないことでしょ?
はっきり言って、迷惑なの。」




美愛の言葉に棘はあるが、


なんとなくこの前の迫力が薄い。



というか、なぜか疲れている?




< 62 / 443 >

この作品をシェア

pagetop