総長からの「愛してる」
ぐったりしたまま、荒い息を吐く美愛を抱き上げる。
ふと、周りを見渡せばギャラリーがかなり出来ていた。
「参ったね。面倒な奴等に美愛のこと見られてないといんだけどな。」
海斗は、苦笑いしながら……ーー目は笑ってねぇが。……周りを見回した。
ジロジロと刺さる視線。
ヒソヒソと話し合う声。
俺たちは、それを無視して歩きだす。
「ちょっと待てよ。」
「あ"?」
いきなり、目の前に2人組の男が飛び出してきた。
「美愛さんを、どこに連れてく気だよ?」
あろうことか、この辺の支配者である俺たちに向かって言ってきた。
いや、それよりも何でこいつ等は美愛のこと知ってんだ?