総長からの「愛してる」
「熱、下がったか?」
「へ?」
熱?
私が 十六夜 廉也の言葉に不思議に思い、顔を傾ける。
すると、十六夜 廉也の手が伸びてきて、私の額に触る。
「………さっきより下がってるけど、まだあるじゃねぇか。」
「そう?……そんなことより、鞄が欲しいんだけど。」
部屋を見渡すが、時計が見つからない。
掛けてないのかな?
「………ちっ…」
何が気に入らないのか、十六夜 廉也は顔をしかめる。
「自分の価値を下げてんじゃねぇよ。」
………ああ、そういうことか。
私が、熱があることについて『そんなことより』って言ったのが気に食わないわけね。
別に、私の勝手じゃない。