総長からの「愛してる」
電話を切った私は、自分の服を整えて鞄の中身を確認する。
「何も無くなってない、よね。」
彼らは帰ることを許さないだろう。
けど、未來のために一秒でも速く帰ってあげたい。
「急ごう。」
私は、意を決して再び扉を開けた。
「……ありがとう。
それじゃあ、私は帰る。」
私は、彼らに見向きもせずに次の扉を目指す。
「待て。」
声と共に腕を掴まれた。
ため息をこぼしながら、声の主である十六夜廉也を見る。
「お前、俺らの仲間になる気はねぇか?」
………本当に呆れる。
仲間?
なるわけないじゃない。