総長からの「愛してる」
「私、暴走族だけには関わりたくないの。」
ここまで来て、暴走族と関わるなんて御免だ。
「暴走族に偏見を持っているのか?」
気付けば、この場の全員の視線を集めていた。
誰もが黙って、私を見つめる。
「私は外見とか肩書きとかで、人を差別はしない。
それでも、私の中で暴走族は “関わりたくない” ものなの。」
私の言葉に彼らは黙ったままだった。
暴走族が嫌いなわけではない。
でも、関わりたくない。
「なにか、暴走族で嫌な思い出でもあるのか?」
「そういう問題じゃないの。」
しつこい。
なんと言われても、私はあなた達の仲間にはならないというのに。
「……わかった。とりあえず今日は帰す。
送ってくから、乗れ。」