総長からの「愛してる」



「乗れ。」



渡されるヘルメットをつい受け取ってしまう。




乗れ……って、バイクの後ろ?!




慌てて、十六夜廉也の顔を見つめる。




「普通、バイクの後ろは好きな子を乗せるんじゃないの?」



「俺はお前のこと好きだ。」




反射的に聞いて、すぐに後悔する。



そういえば、屋上で告白されたんだっけ……




「こんな愛想の無い私を好きなんて、気の迷いよ。」




男が思う “可愛い” は、大体理解しているつもり。



私は、売る時以外にそんな仕草や性格をしない。




一体どこに惹かれたのか、を考えるほど自分に自信があるわけじゃない。



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