総長からの「愛してる」
「確かにそうだよね。」
ハッキング技術を身につけるには、相当な頭の良さと高度な専門技術、そしてかなりの努力が必要だと聞いたことがある。
そんな超人はなかなかいない……か。
「美愛、熱大丈夫か?」
ぼーっとしていると、十六夜廉也が額に再び手を当ててきた。
「……やっぱり熱いじゃねぇか。
帰ってすぐに寝ろよ。」
「うん。」
素直な俺様に、私も素直に返事をしてしまう。
「じゃあ、気をつけろよ。」
そう言われ、私は家の方向へと足を向けて歩き出す。
最初の曲がり角で、もう一度コンビニを見ると、私を見ている十六夜廉也が見えた。
私を最後まで見送ってくれてるのだろう。
……情を移されたくない。
私は、もう一度家への道に視線を受けた。
速く、未來と悠に会いたい。