ある人々の恋愛
愛しい君へ
 愛しい君へ
 君がこの手紙を読んでいるということは、僕はもうこの世にいないということだね。寂しさと切なさで胸が締めつけられそうだ。君は僕のために泣いてくれるだろうか。このどうしようもない男に、君が綺麗な涙を流してくれるだろうか。
 君はきっと泣かないだろう。涙をこらえて口びるをかんで、じっと時が過ぎるのを待つだろう。そう思うと、少し安心する。この世からいなくなる自分としては安心して天国に逝ける。
この手紙を書いていると、君との最初の出会いを思い出す。


 名無しの人へ
 毎日ポストに手紙が入っていて、正直迷惑しています。しかも毎回死ぬ設定で書かれていますが、未だに手紙が送られるということは、まだあなたが生きていることになりますよね。
 自殺をされるのは、正直に言いますと、どうでもいいと思っています。だってあなたは名前も書かれていないし、私はあなたをしらないからです。
 けれども遺書とかに私の悪口やら、私のせいで死を選んだということがかかれるのはすごく迷惑なので、自殺はしないでください。
私だけではなく、家族の方(いるのか分かりませんが)、他の方々にも迷惑なので。
しつこいようであれば、警察に訴えますよ。
P.S 知らない人のために流す涙はありません。
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