【企画】真夏の君へ、伝えたかった事。
◇夏 5日目
そうか、君はもういなかったんだね。
何も言わずに・・・・・・
暑いはずなのに、夏だというのに、指先が徐々に冷えていく。
震える手で携帯を握り締め、ゆっくりと陽斗を振り返る。
「酷いやん・・・・・・」
「ごめんな」
そう呟いた君は、清々しい笑顔だった。
何で、笑ってられるの?
君の笑顔は、今のわたしには眩し過ぎた。
頬を、涙が伝う。
夕日が眩しくて、目が痛かった。
胸も、目も、喉も、何もかもが熱くて、痛くて。