2つの地球
普通はわからないと思う。
ずっと味方だと思ってた。
味方って言われても国の命令で手紙を送ってきてたなら信じるなんて難しい。
「花梨!お前にも届いた?」
「和哉?うん…まだ信じられない…」
「だよな…俺もだ…」
「拓馬はどうだろう。」
「あいつは…「おい!和哉!花梨!どうなってるんだ!」
いつもの感じで拓馬が来た。
「「騙された?」」
「え、俺に聞くなよ。俺が聞いてんだから。」
「私もわかんないの。なんか信じらんないし、地球でなにが起きてるのかも。」
わからない。
それしか浮かばない。
結局裏切った事にはかわりない。
「裏切ったんだよ。皆。私たちのことを。」
「花梨。それは違う気がする。今までの文通にわざとらしい書き方とかあったか?俺たちに協力してくれるんだぞ?この制度をやめさせる。そんな事地球の人で言ったの初めてだよ。きっと。」
「和哉…でもね…一度信じてしまったら裏切られるともう元には戻れないの。私だけかもしれない。」
私にはもう人を信じる事が不可能に近い。
未奈を失ったのは人のせいだから。
もう裏切ったと思ったら人は信じれない。
「花梨。俺も和哉と同じだ。確かに未奈を失って人を信じなくなり始めてた。でも、こんなときに信じた人は地球の俺たちだろ?今は地球の命令に従う事しかできない。この年だからな。でも、いつか大人になったらきっと俺らを救ってくれる。それを信じよ?」
確かに信じたのは地球の私。
大人になったら、か。
信じるしかないのかな。
少し抵抗はあるけど。
「わかった。信じる。私たちはこの制度を地球の私たちと一緒にやめさせる!それでいいでしょ?」
私は少し微笑んで2人に言った。
「「ああ!」」
「いくぞ!」
「おーー!」
やめさせる。どんな手をつかっても。
例えまた裏切られたとしても。
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