2つの地球
「よろしくお願いします。私はclone2075です。」
「よろしくね?花梨ちゃん。」
優しく微笑む人間の私。
この笑顔に騙されてた私。
一緒に住むのは嫌だな。
あの星にいるときとは違う。人を疑うようになった。
地球は綺麗。だけどその裏側には汚ない感情がある。
人間が汚している。そう見える。
こんな人たちだから私たちを利用するんだ。
確かに作ったのは人間。
でも感情を持ってしまった限り、命は自分のものだと思う。
人にどうのこうの言われても、自分の生き方をする。
それが私の生き方。
否定されようが変えるつもりはない。
「花梨ちゃん。私たちちゃんと話した方がいいとおもうの。」
今更話すと言われても何を話せばいいんだろう。
「私はクローンです。今、あなたに話すことはありません。」
クローンって便利だけど言い訳を考えるのが大変。
「そっか。じゃあ私の話を聞いて?私からの命令。」
「わかりました。」
命令なら従わなくちゃいけないか。
めんどいし聞きたくないけど、
なにか手がかりがつかめるかも。
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