2つの地球
『そんなこと言ったってうちたちにできることはこれしかないんだよ。花梨のくせになんかネガティブだ。』
こんな人間が悪魔だって思わなかったんだ。
感情があるってわかってて処分するなんておかしいじゃんか。
『人間は神に近い存在なの。でも、一番遠い存在でもある。神になれるけど心が神じゃないんだよ。』
そんなものなのか?
人間って。
「あ、そう言えば聞いた?クローンの処分の話!」
きた!クローンの話だ!
「聞いた聞いた。処分だか、輸送だかされんでしょ?可哀想よねぇ。人間が創り出したくせに。しかも感情あるなんてねぇ。」
「本当本当。可哀想にもほどがあるわ。」
人間も意外とちゃんとした心を持ってる人がいるんだ。
悪いのは国民の意見を聞かないで話を進める政府なんだ。
力があればなんでもやっていいの?
感情を持った私たちはどうしたらいいの?
「クローンだって少しは感情がある方がいいと思うのよ。話し相手にもなるしね。何かとそっちの方が人間にとってはいいと思うわ。」
「確かにね。感情がないクローンって死んだような目してて怖いのよね。」
どうして?
私たちは人間にわかさってはもらえないのかな。