真夏の残骸

「………あついよ」

「………そうだね」


その言葉を合図にするように。

空気の流れを感じて、そうっと震える瞼を下ろした。

目を閉じていても、視界がちかちかと明るい。

その光を遮るように暗い影が一瞬だけ覆い被さって。

溶けそうなほど熱い吐息が触れるのを感じて。




―――きりのくんの唇が、わたしに触れた。



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