真夏の残骸
肯定の意味を込めて小さく頭を縦に振る。
少しでも繋ぎとめたいと絡めたきりのくんの指先は驚くほどに冷たかった。
こんなにも暑いのに、どうして。
みーん、みーん、みーん。
涙なのか汗なのかよくわからないものが何度も頬を伝って、ぽたりと地面を濡らした。
相変わらず、蝉の声が煩い。
ゴーン、ゴーン、ゴーン。
それをかき消すように17時の鐘が鳴った。
いつも公園の鐘が鳴ったらかくれんぼは自然と解散していた。
きりのくんは今にも消え入りそうな微笑を浮かべて、わたしの頭を撫でた。
何故かその微笑みは大人びている。