真夏の残骸
「ちょっとちか、動揺しすぎじゃない?」
「ど、動揺なんてしてない!」
「いくらきりののこと嫌いだからってさー」
「………へ?」
予想外の言葉に、間抜けな声が出てしまった。
…嫌い?
わたしが、きりのくんのことを?
「だってちか、きりのが転校するって先生から聞いたとき無反応だったじゃん?きりのって何気に女子から人気あったから、泣いてる子も多かったのにさー」
「あ、あれはっ…!」
あれは……違う。
言葉にしかけて、ぐっと唇を噛んだ。