真夏の残骸

万が一、会えたら。

そんなことを考えている自分がどうしようもなく憐れだった。

もうずっと前のことなのに。

小学生のときのこと、きりのくんが覚えているはずがないのに。

仮に覚えていたところで、何も変わらないのに。

だって、あんなの、ただの子供の好奇心みたいなものなんだから。


「…行ってきます」


出会いがあるかもね、なんてわたしより浮かれているお母さんに告げ、夕日が差し掛かる外へ踏み出した。

同窓会は17時30分からだったため、うだるような暑さはあまりない。

麻実と合流してから向かう予定だったが、15分ほど余裕を持って家を出た。

せっかくだからゆっくり歩いて行きたい。
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