真夏の残骸

「(……きりのくんに会わせてください)」


そんな途方もない願いを抱きながら、麻美と久しぶりに再会した。

電話のときのように思い出話に浸る暇もなく、幹事である麻美は忙しない。

キャンセルがどうのだとか、道に迷ったやつがいるだとか。

それをどたばたと手伝っているうちに、きりのくんのことは少しずつ頭の片隅に追いやられていった。

17時30分を過ぎた頃には続々とひとが集まってきて、懐かしい顔ぶれがちらほら見られる。

髪色や化粧でぱっと見は変わっていたけど中身は全然変わっていなくて安心した。


「え、満榎!?髪の毛めっちゃ伸びたねー!」

「久しぶりだね!昔はわたしショートだったっけ」

「そうだよー!びっくりした!ねえねえ、後で写真撮ろ!」

「ちかと麻美じゃん!なっつかしー!今日はありがとね♪」

「やだもう変わりすぎー!」
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